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【会計情報トピックス】政府、情報開示・会計基準・会計監査の質の向上を推進
~日本再興戦略2016を閣議決定~


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政府は6月2日、「日本再興戦略2016‐第4次産業革命に向けて‐」(以下、「再興戦略2016」という)を閣議決定した。安倍内閣の「成長戦略」を担う施策として、2013年に「日本再興戦略」が出された後、続く2014年に「『日本再興戦略』改訂2014」、さらに2015年には「『日本再興戦略』改訂2015」が公表され、「攻めの経営」の観点から一貫してコーポレートガバナンスの強化、企業と投資家との対話促進、IFRS任意適用拡大促進などが具体的な施策として推進されている。


再興戦略2016においても「攻めの経営」の促進の観点から、コーポレートガバナンス改革による企業価値の向上を中心的課題として掲げた上で、その一環として「情報開示、会計基準及び会計監査の質の向上」に取組むとしている。ポイントは以下の通り。



【情報開示、会計基準及び会計監査の質の向上】

(1)企業の情報開示の実効性・効率性の向上等
  • 制度開示について、項目の整理や重複解消等を行うことにより、国際的に見ても最も効果的かつ効率的な開示を実現する(2019年前半を目途)。
  • 事業報告等と有価証券報告書の一体的開示、決算短信や監査報告の在り方について考え方を整理し、具体的な進め方について本年度中に結論を得る。
  • 一体的開示を促進しつつ、株主総会の日程等を欧米諸国と比較しても合理的かつ適切に設定するための総合的な環境整備を進める(例えば、決算日から4か月後に株主総会を開催する等)。

(2)会計基準の品質向上
  • IFRSの任意適用企業の拡大を促進する。
  • のれんの会計処理やリサイクリング等に関して、我が国の考える、あるべきIFRSについての国際的な意見発信を更に強力に行う。
  • 企業会計基準委員会における我が国の収益認識基準の高品質化に向けた検討が加速されるよう、必要な支援を行う。

(3)会計監査の品質向上・信頼性確保
  • 監査法人の組織的な運営のための原則(監査法人のガバナンス・コード)を策定し、監査法人のマネジメントの強化を図る。
  • 監査法人に対して、ガバナンスの状況や会計監査の品質確保のための取組等について適切に開示・説明することを求める。
  • 監査人の選解任に係る株主の判断が適切に行われるよう、同一の監査人による監査を受けてきた期間など、企業等による会計監査に関する開示を充実させる。
  • 当局と大手・準大手監査法人等との間で継続的な対話の場を設け、大手上場企業等の会計監査をめぐる課題等について問題意識の共有を図り、監査業務の水準の向上を図る。

以上


関連リンク:
金融庁、「金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告」を公表 -制度開示の簡素化・共通化を提言-
決算短信の簡素化へ、金融庁 ~会社法と金商法は開示を共通化~
外部リンク:
○「日本再興戦略2016」が閣議決定