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【設例解説】設例1.取得となる吸収合併の会計処理


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設例1.取得となる吸収合併の会計処理

A社とB社はX01年4月1日を合併期日としてA社を存続会社とする吸収合併を行った。
当該合併は取得と判定され、A社が取得企業、B社が被取得企業とされた。
A社は、B社株主へのA社株式の交付にあたり、自己株式10株(帳簿価額35)および新株90株(時価270)を発行した。


吸収合併前図


【前提条件】

資料 A社貸借対照表


上記前提条件の場合における
(1)取得企業A社のX01年4月1日における会計処理



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設例1の解説

(1)存続会社(取得企業)A社のX01年4月1日における会計処理

① 取得原価の算出
取得原価は、時価が3の株式100株を対価として交付しているので300となる。


② 取得原価の配分
この取得原価を識別可能資産と識別可能負債に、それぞれの時価を基礎として配分するため、諸資産320、諸負債140(帳簿価額100+未払法人税40(※1))で受け入れる。
(※1)被合併会社B社において、合併対価300に対して純資産額200であるため移転損益100が計上され、当該移転差益に対する未払法人税40(100×実効税率40%)はA社の受入負債となる。


③ のれんの算定
受入純資産額は諸資産320と諸負債140の差額180となり、この受入純資産額180と取得原価300の差額との差額120がのれんとなる。


④ 増加資本の会計処理
増加資本の金額は、契約により決められるため資本金と資本準備金の額は【前提条件】にあるとおりとなる。
残額は資本剰余金となるが、交付したA社株式のうち自己株式を充当している部分については、自己株式の帳簿価額35を控除した額となる。


【仕訳】

借方
貸方
諸資産
320  
諸負債
100  
のれん
120  
未払法人税等
40  
 
 
自己株式
35  
 
 
資本金
100  
 
 
資本準備金
50  
 
 
その他の資本剰余金
115