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Q32 取得に要した支出額はどのように会計処理を行いますか?

トランザクションサービスチーム


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A32

取得とされた企業結合に直接要した支出額のうち、取得の対価性が認められる外部のアドバイザー等に支払った特定の報酬・手数料等は取得原価に含め、それ以外の支出額は発生時の事業年度の費用として処理します(企業結合会計基準26 項)。
これは、取得はあくまで等価交換取引であるとの考え方を重視し、取得企業が等価交換の判断要素として考慮した支出額に限って取得原価に含めることとしたことによります。

それでは、取得原価に含める支出額とはどのようなものでしょうか?
取得原価に含める支出額に該当するかどうかは、次の(1)及び(2)を満たすかどうかで判断します。

(1) 企業結合に直接要した支出額
企業結合を成立させるために取得企業が外部のアドバイザー(例えば投資銀行のコンサルタント、弁護士、公認会計士、不動産鑑定士等の専門家)に支払った交渉や株式の交換比率の算定のための企業価値算定に係る特定の報酬・手数料等が含まれます。
社内の人件費(例えば社内のプロジェクト・チームの人員に係る人件費)等は、これに含まれません。

(2) 取得の対価性が認められるもの
現実に契約に至った企業結合に関連する支出額のことをいいます。したがって、契約に至らなかった取引や単なる調査に関連する支出額は、企業結合に直接要した費用であっても取得原価に含めることはできません。
なお、企業結合に直接要した支出額であっても、被取得企業が支出した額については、取得企業の支出ではないため、それらを取得原価に含めることはできません。