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Q29 取得の会計処理において取得原価の配分はどのように行うのでしょうか?

トランザクションサービスチーム


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A29

取得原価は、被取得企業から取得した資産及び引き受けた負債のうち企業結合日時点において識別可能なもの(識別可能資産及び負債)の企業結合日時点の時価を基礎として、当該資産及び負債に対して企業結合日以後1年以内に配分します(企業結合会計基準28項)。
識別可能資産及び負債の範囲については、被取得企業の企業結合日前の貸借対照表において計上されていたかどうかにかかわらず、企業がそれらに対して対価を支払って取得した場合、原則として、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準の下で認識されるものに限定されます(企業結合会計基準99項)。

識別可能資産及び負債への取得原価の配分額は、企業結合日における次の時価を基礎として、算定します(企業結合会計基準102 項及び103 項)。
(1) 観察可能な市場価格に基づく価額
(2) 観察可能な市場価格に基づく価額がない場合には、合理的に算定された価額

合理的に算定された価額による場合には、市場参加者が利用するであろう情報や前提等が入手可能である限り、それらに基礎を置くこととし、そのような情報等が入手できない場合には、見積りを行う企業が利用可能な独自の情報や前提等に基礎を置くものとされています。
合理的に算定された価額は、一般には、
① コスト・アプローチ
② マーケット・アプローチ
③ インカム・アプローチ
などの見積方法が考えられ、資産の特性等により、これらのアプローチを併用又は選択して算定することとなります(企業会計基準適用指針第6 号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」28 項(2))。
なお、金融商品、退職給付引当金など個々の識別可能資産及び負債については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準において示されている時価等の算定方法が利用されることとなります。