企業会計基準委員会(ASBJ)は2016年11月11日および11月22日、「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」の改訂(以下、「本改訂」という)を公表しました。
ASBJは、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(以下、「日本基準」という)および修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)(以下、「修正国際基準」という)の開発に関する予見可能性を高めるため、その検討状況および今後の計画を公表しています。本改訂は、その最新版として更新されたものです。
【主な変更点】
◆ 「税効果会計に関する指針」
- 当期税金に関する会計基準については、2016年11月9日に企業会計基準公開草案第59号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)」等(コメント期限:2017年1月10日)を公表している。
- なお、その他の税効果会計に関する適用指針全体については、前回と同様、公開草案公表の目標時期は定められていない。
◆ 「リスク分担型企業年金に係る会計処理に関する指針」
- 2016年6月に公開草案が公表され、本年8月にコメント募集が締め切られている。本改訂では、最終化の目標時期が、「2016年10月から11月の間」から「2016年12月」に変更されている。
◆ 「公共施設等運営権に係る会計処理に関する指針」
- 公開草案の公表時期について、これまでは「2016年10月から11月の間」とされていたが、本改訂では「2016年12月を目標とする」ことに変更されている。
◆ 「実務対応報告第18号の見直し」
- 本改訂において、「2016年12月」に公開草案を公表することが追加されている。なお、「2017年3月までに最終化することを目標」とすることに変更はない。
◆ 「マイナス金利に関連する会計上の論点への対応」
- マイナス金利に関連する会計上の論点のうち、退職給付債務の計算における割引率について、会計上の取扱いを明確化することを目的として検討を行っていること、また、「2017年3月までに最終化することを目標」として検討を進めていることが明記された。
◆ 修正国際基準
- 2014年以降にIASBより公表された会計基準等のうち、2016年から2017年に発効される会計基準等を対象にエンドースメント手続を実施している。公開草案公表の目標時期について、これまでは「2016年10月から12月の間」とされていたが、本改訂では「2016年12月」に変更されている。
(参考)
「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」
- 日本基準
- 開発中の会計基準
① 収益認識に関する会計基準
- 開発中の指針(実務上の取扱いを含む)
① 税効果会計に関する指針② リスク分担型企業年金に係る会計処理に関する指針③ 一括取得型による自社株式取得取引に係る会計処理に関する指針④ 権利確定条件付きで従業員等に有償で発行される新株予約権の企業における会計処理に関する指針⑤ 公共施設等運営権に係る会計処理に関する指針⑥ 実務対応報告第18 号の見直し⑦ マイナス金利に関連する会計上の論点への対応
- 今後、開発予定の会計基準または指針(実務上の取扱いを含む)
① 「企業結合に関する会計基準」に係る条件付取得対価の取扱い② 子会社株式及び関連会社株式の減損とのれんの減損の関係
- 修正国際基準
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以上
関連リンク:
ASBJ、「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)」を公表
外部リンク:
ASBJ 「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」の改訂