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バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は、2016年10月12日、「TLAC保有」(原題:TLAC holdings)の最終規則文書を公表した。
“TLAC”とは、グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)※1において、破綻時に備えた総損失吸収力(Total Loss-Absorbing Capacity)を確保すること。大規模な金融機関が破綻した際に、納税者負担を回避することを目的としており、具体的には、自己資本および破綻時に元本削減・株式転換される負債等から構成される。
2015年11月、金融安定理事会(FSB)は、いわゆる「Too Big To Fail」(大き過ぎてつぶせない)問題に対処するため、G-SIBsに対して十分な損失吸収力の充実を求める最終報告を公表していた。今般公表された最終規則文書は、最終報告で規定されている「ダブルギアリング規制」※2におけるTLAC保有の取扱いを定めたものである。ここで「TLAC保有」とは、バーゼル規制資本に該当しない「その他の適格負債等」(TLAC適格負債等)を指す。
「国際統一基準行(Internationally active banks)」(G-SIBsおよび非G-SIBs)は、TLAC保有をTier2から控除する。議決権保有割合10%以下の場合は、自行の普通株式等Tier1(CET1)の10%超相当部分をTier2控除。議決権保有割合10%超の場合は、全額をTier2控除する。
詳しくは以下の国際決済銀行のウェブサイトをご覧ください。
※1 「Global Systemically Important Banks」:金融安定理事会(FSB)によって選定されており、2015年11月現在、日本の3メガバンクを含む30行が指定されている。※2 連結対象外の金融機関に対する出資のこと。バーゼル規制では自己資本から控除することが求められている(ダブルギアリング規制)。
外部リンク:
BIS Final standard on TLAC holdings published by the Basel Committee