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国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、2025年4月28日、IFRS S2号「気候関連開示」の修正を提案する公開草案(以下。「本公開草案」という)を公表しました。
本公開草案は、温室効果ガス(GHG)排出の測定と開示に焦点を当てており、ファイナンスド・エミッションの開示、法域の救済措置の利用、および世界産業分類基準(GICS)コードの使用に関する修正が織り込まれています。
本公開草案は、市場からのフィードバックへの対応の一環として、IFRS S2号の修正を提案するものとして公表されました。これらの修正案は移行支援グループ(TIG)で議論されたものですが、本公開草案の目的は、一部の企業にとってIFRS S2号の適用を容易にすることにあります。
プレスリリースでは、本修正案はGHG排出に関する開示の削減に焦点を当てたものではなく、投資家に提供される情報の意思決定有用性を維持しながら、企業がIFRS S2号をより容易に適用できるようにすることを目的としていると述べられています。
本公開草案は、特に次の分野を対象としています。
企業は、GHG排出の測定および開示から、スコープ3「カテゴリー15」のGHG排出(ファイナンスド・エミッション)のデリバティブに関連した排出、ファシリテーションに係る排出および保険に関連する排出を除外することが認められる。
企業の全部または一部が法域の当局または上場している取引所により異なる方法が要求される場合には、GHGプロトコル以外の方法を用いてGHG排出を測定できることを明確にしている。
さらに、法域の救済措置は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新の評価によらない地球温暖化係数(GWP)の値の使用も認められるように拡張される。これは、企業の全部または一部が法域の当局または上場している取引所により、そのようなGWP値の使用を要求されている場合に該当する。
商業銀行および保険に該当する活動を行う企業を対象として、ファイナンスド・エミッションを産業別に分解するためのGICSコードの使用において柔軟性が織り込まれる。
本公開草案は、2025年6月27日まで意見募集が行われます。ISSBは、2025年末までに本修正案を最終決定する予定です。発効日は、本修正案が最終決定された時点で設定され、(エンドースメントプロセスを経ることを条件として)早期適用の選択肢が設けられる予定です。
以上