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ASBJ、のれんの会計処理に関するテーマ提案への対応状況を公表

プライムジャパン・コンサルティング
会計情報リサーチ

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企業会計基準委員会(ASBJ)は、2025年7月25日、第551回企業会計基準委員会(2025年7月24日開催)の議事概要別紙として、「審議事項(1) 企業会計基準諮問会議からの報告」(以下、「本議事概要」)を公表しました。

 

本議事概要は、企業会計基準諮問会議(以下、「基準諮問会議」)からの、のれんの非償却の導入および、のれん償却費計上区分の変更の提案に関する意見聴取の依頼へのASBJの対応を示したものです。

 

 

経緯

 

2025年5月30日、スタートアップ関連団体等から、ASBJを運営する財務会計基準機構(FASF)に対して、のれんの非償却に関する会計基準の開発を求めるテーマ提案が提出されました。テーマ提案者の主な提案は次のとおりです。

 

  1. のれんの償却と併せてのれんの非償却も認める選択制の適用(遅くともスタートアップ育成5か年計画の終期である2027年度までに結論・措置に至るよう検討)
  2. のれんの償却費の営業外費用もしくは特別損失への計上(1.よりも早期に、2026年度の結論・措置の可能性も含めて検討)

 

2025年7月11日に開催された基準諮問会議において、FASF事務局から次の提案が行われ、審議の結果、概ね賛成多数で了承されました。

 

  • 提案により改善が見込まれるか、まずスタートアップの関係者の意見聴取をASBJに依頼する(この依頼は、テーマ提言に関する判断や評価をASBJに依頼するものではなく、当該判断や評価は基準諮問会議において行う)
  • それらをとりまとめて、次回の基準諮問会議でより幅広い関係者の意見聴取が必要かを検討する

 

 

概要

 

本議事概要は、基準諮問会議からの依頼へのASBJの対応の内容を周知するために、別紙として議事を残したもので、概要は以下のとおりです。

 

  • 基準諮問会議からの依頼を受け、ASBJは、のれんの非償却の導入および、のれん償却費計上区分の変更(以下、「本テーマ」)の提案により会計基準として改善が見込まれるかどうかについて、関係者から意見聴取を実施する
  • 意見聴取は、ASBJにおける通常の審議と異なり、ASBJおよび委員が本テーマに関して判断や評価を行うものではなく、関係者からの意見聴取の結果を基準諮問会議に報告することを目的として実施する。このため、意見聴取は公聴会という形式で実施し、通常の審議を行うASBJの会議とは明確に区別する
  • 公聴会は、次回の基準諮問会議が2025年11月に開催される予定であることを考慮し、今後、次の要領で実施することとする。なお、意見聴取の進捗状況次第で、次回の基準諮問会議後も継続して意見聴取を実施する可能性がある

 

 

以上