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サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、2025年8月29日、 2025年8月SSBJハンドブックを公表しました。
SSBJは、2025年3月5日、サステナビリティ開示基準(以下、「SSBJ基準」という)を公表しました。また、SSBJ基準公表後においては、SSBJ基準を利用する際の便宜を考慮して、2025年3月から2025年7月までSSBJハンドブックを毎月公表していました。
今般のSSBJハンドブックは、随時更新が予定されていたSSBJ基準の解説資料として、2025年7月分までのSSBJハンドブックへの追加として公表されたものです。
SSBJハンドブックは、SSBJ事務局が作成し、SSBJの審議を経ずに公表された解説資料です。SSBJ基準を構成しないため、SSBJハンドブックの内容に従わない場合でも、SSBJ基準に準拠している旨を表明することができます。
SSBJハンドブックに含まれる論点は、これまでSSBJに多くの質問が寄せられたものなど、関係者のニーズが高いものから、SSBJ事務局のリソース等を考慮して決定され、実務の進展等により随時更新が予定されています。
2025年8月に公表されたSSBJハンドブックの内容は、次のとおりです。
SSBJ基準において「実務上不可能な場合」という要件が用いられる免除規定が3つ(誤謬の修正再表示、比較対象の数値の更新および見積りの数値の算定)あることを示したうえで、IFRS会計基準と同様、「実務上不可能」と位置付けることの閾値は高いことを解説しています。
識別したリスクと機会の情報の重要性を判断するにあたり、考慮することが求められる以下の点を解説しています。
企業の戦略と意思決定に与える影響に関する開示のうち、「サステナビリティ(気候)関連のリスクおよび機会の間のトレードオフ」と「気候関連の対応に必要な資源」の情報が具体的にどのようなものかの解説しています。
気候関連の移行計画の内容の開示で求められる「移行計画の作成に用いた主要な仮定」とは具体的にどのようなものかの解説しています。
一般基準において求められる「サステナビリティ関連のリスクに関連する、戦略及びビジネス·モデルのレジリエンスに関する定性的評価(及び該当ある場合は定量的評価)」の開示についての考え方
「現在の及び予想される財務的影響に関する情報」との違いとして、レジリエンスに関する情報は不確実性の影響に対処し、耐える能力に関する情報を提供すること等の説明をしています。
一般基準のレジリエンスの定めと気候基準の気候レジリエンスの定めについて、その定義、開示項目、評価対象、評価頻度、評価手法の違いを表形式で比較しています。
気候レジリエンス」の開示に参考となる情報
「気候関連のシナリオ分析」の開示に参考となる情報
「シナリオ分析に対して用いるアプローチ」の決定に参考となる情報
※報告期間の末日において企業が過大なコストや労力をかけずに利用可能な、すべての合理的で裏付け可能な情報を指す。
「気候レジリエンスの評価」に参考となる情報
GHGプロトコルにおける温室効果ガス排出のステップを説明したうえで、スコープごとの温室効果ガス排出源を例示しています。
またスコープ3の各カテゴリーに該当する活動の例示、当該活動量を収集するためのデータ・ソースを例示しています。
役員報酬について気候関連の評価項目と他の評価項目に係る部分を区分して識別できない場合の開示について、設例を用いた解説をしています。
以上