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【会計情報トピックス】金融庁、「国際会計基準(IFRS)に基づく四半期連結財務諸表の開示例」を公表


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金融庁は、2016年7月8日、「IFRSに基づく四半期連結財務諸表の開示例」(以下、「本開示例」という)を公表しました。



1.経緯


金融庁は、2010年3月期からのIFRS任意適用開始に合わせて、企業がIFRSに基づく財務諸表を作成するにあたっての実務の参考とするため、「国際会計基準に基づく連結財務諸表の開示例(以下、「年度開示例」という)」(2009年12月)および「国際会計基準に基づく四半期連結財務諸表の開示例(以下、「四半期開示例」という)」(2010年4月)を公表していました。


その後、2015年6月30日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2015」において、「IFRSの任意適用企業の拡大促進に資する」等との観点から、「IFRS適用企業の実際の開示例や最近のIFRSの改訂も踏まえ、IFRSに基づく財務諸表等を作成する上で参考となる様式の充実・改訂を行う」こととされました。


これを受けて、金融庁は、2016年3月31日に年度開示例の改訂を行ったのに続き、今般、四半期開示例についても改訂を行い、本開示例として公表に至ったものです。なお、本開示例は、あくまでも例示であり、IFRSに基づく四半期連結財務諸表の形式および内容を拘束するものではないとしています。



2.本開示例のポイント


(1)最新のIFRSに対応

  • 本開示例は、原則として、2016年3月期において強制適用されるIFRSに基づいて作成されています。
  • 金融商品会計基準については、わが国のIFRS任意適用企業においてIFRS第9号「金融商品」(2010年または2013年)を早期適用している例が多く見られること、また、IAS第39号「金融商品:認識及び測定」は、ヘッジ会計を除いて、2018年1月1日以後開始事業年度から廃止されることから、本開示例では、IFRS第9号(2013年)のすべての規定を早期適用することを前提として作成されています。

(2)IFRSの規定に基づく説明の充実

  • 本開示例では、企業の理解が深まるよう、表形式による開示例ごとに根拠となるIFRSの規定を明示し、表形式による開示例とIFRSの規定とを結びつける説明を行っています※1

(3)IFRS任意適用企業の実際の開示を反映

  • 本開示例は、IFRSに基づく実際の開示を参考に、IFRS任意適用企業の実務に即したものとして作成されています※2
  • なお、IFRSにおいて明示的に開示を求められていない項目については、義務的開示であるとの誤解を避けるため、本開示例には含められていません。
  • また、IFRSにおいて明示的に開示を求められている項目であっても、重要性が高くないまたは取引や事象の頻度が高くないと考えられる項目についても、本開示例に含めないことで、企業の開示負担にも配慮したものとなっています。

※1.従来の開示例は、表形式による開示例と、その根拠規定を明記していたに留まっていました。※2.従来の開示例は、IFRS任意適用開始時に作成されたものであったため、IFRSに基づく実際の開示を参考とすることができませんでした。なお本開示例の作成にあたっては、IFRSに基づく四半期連結財務諸表または中間連結財務諸表を四半期報告書または半期報告書において公表した74社の実際の開示が参考とされています。

以上


外部リンク:金融庁 国際会計基準(IFRS)に基づく四半期連結財務諸表の開示例の公表について