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【会計情報トピックス】金融庁、「国際会計基準(IFRS)に基づく連結財務諸表の開示例」を公表


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金融庁は、2016年3月31日、「国際会計基準(IFRS)に基づく連結財務諸表の開示例」(以下、「本開示例」という)を公表しました。



1.経緯


金融庁は、2010年3月期からのIFRS任意適用開始に合わせて、企業がIFRSに基づく財務諸表を作成するにあたっての実務の参考とするため、2009年12月に「国際会計基準に基づく連結財務諸表の開示例」を公表しました。


その後、2013年6月に公表された「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」(企業会計審議会)において、IFRSの任意適用の積上げを図ることが重要であるとの考え方が示されました。さらに、2015年6月に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2015」において、「IFRSの任意適用企業の拡大促進に資するとの観点から、IFRS適用企業の実際の開示例や最近のIFRSの改訂も踏まえ、IFRSに基づく財務諸表等を作成する上で参考となる様式の充実・改訂を行う」こととされました。


これを受けて、金融庁は、上記閣議決定に基づき、2009年12月に公表されていた「国際会計基準に基づく連結財務諸表の開示例」の充実・改訂を行い、本開示例として公表しました。 なお、本開示例はあくまでも例示であり、IFRSに基づく連結財務諸表の形式および内容を拘束するものではないこと、また、IFRSに基づき開示すべき事項を必ずしもすべて網羅するものではない点には留意する必要があります。



2.本開示例のポイント


(1)最新のIFRSに対応

  • 本開示例は、原則として、2016年3月期において強制適用されるIFRSに基づいて作成されています。
  • ただし、金融商品会計基準については、わが国のIFRS任意適用企業において、IFRS第9号「金融商品」(2010年または2013年)を早期適用している例が多く見られること、また、IAS第39号は、ヘッジ会計を除き、2018年1月1日以後開始事業年度から廃止されることを踏まえ、本開示例では、IFRS第9号(2013年)のすべての規定を早期適用することを前提として作成されています。

(2)IFRSの規定に基づく説明の充実

  • 本開示例では、企業の理解が深まるよう、表形式による開示例と根拠となるIFRSの規定とを結びつける説明を充実させています※1

(3)IFRS任意適用企業の実際の開示を反映

  • 本開示例は、2015年12月末までに、IFRSに基づく連結財務諸表を有価証券報告書において公表した63社の実際の開示を参考として作成されています。

なお、IFRSにおいて明示的に開示を求められていない項目については、義務的開示であるとの誤解を避けるために本開示例には含められていません。また、IFRS任意適用企業の実際の開示を参考に、多くの企業において必要になると考えられる項目に絞り込むことで、企業の開示負担にも配慮したものとなっています。


※1.従来の開示例は、表形式による開示例と、その根拠規定を明記しているに留まっていた。

以上


外部リンク:金融庁 国際会計基準(IFRS)に基づく連結財務諸表の開示例の公表について