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法務省、「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令案」を公表

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法務省は、2020年12月4日、「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令案」(以下、「本省令案」という)を公表しました。

 

本省令案は、会社法施行規則および会社計算規則について、以下2点の改正を提案しています。

 

  1. 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、事業報告に表示すべき事項の一部ならびに貸借対照表および損益計算書に表示すべき事項をいわゆるウェブ開示によるみなし提供制度の対象とするための改正
  2. 企業会計審議会が「その他の記載内容」等に関する監査基準の改訂を行ったことを受けての改正

 

本省令案に対するコメント募集期限は、2021年1月6日となっています。

 

 

改正の内容

 

 

ウェブ開示によるみなし提供制度に関する改正

 

ウェブ開示によるみなし提供制度とは、取締役会設置会社の定時株主総会招集通知に際して、事業報告および計算書類に表示すべき事項の一部情報について、定時株主総会に係る招集通知を発出する時から株主総会の日から3カ月が経過する日までの間、継続してインターネット上のウェブサイトに掲載し、当該ウェブサイトのURL等を株主に対して通知することにより、当該事項が株主に提供されたものとみなす制度です(会社法施行規則第133条第3項、会社計算規則第133条第4項等)。このウェブ開示によるみなし提供制度の適用を受けるには、ウェブ開示をする旨の定款の定めが必要です。

 

2020年5月15日、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえた特例措置として、会社法施行規則および会社計算規則の一部が改正され、時限的に事業報告に表示すべき事項の一部ならびに貸借対照表および損益計算書がウェブ開示によるみなし提供制度の対象に含められました。当該改正を定めた法務省令が2020年11月16日に失効したことから、今般、当該ウェブ開示の拡大措置の延長を提案するものです(会社法施行規則案133条の2、会社計算規則案133条の2)。

 

 

監査基準の改訂を受けた改正

 

会計監査人の会計監査報告の内容として、「監査意見(会社計算規則第126条第1項第2号)があるときは、事業報告及びその附属明細書の内容と計算関係書類の内容又は会計監査人が監査の過程で得た知識との間の重要な相違等について,報告すべき事項の有無及び報告すべき事項があるときはその内容」を追加するほか、所要の整備を行うことが提案されています(会社計算規則案第126条第1項第5号)。

 

 

施行期日および失効

 

本省令案は、意見募集期間を経て、公布の日から施行される予定です。ただし、ウェブ開示によるみなし提供制度に関する改正のうち、「会社法の一部を改正する法律」(令和元年法律第70号)の改正に関連する部分は、その施行の日(2021年3月1日)から施行される予定です。

 

また、本省令案により改正される会社法施行規則および会社計算規則の規定(この省令案による改正後の会社計算規則第126条第1項の規定を除く。)は、2021年9月30日限りでその効力を失うとされています。ただし、同日前に招集の手続が開始された定時株主総会に係る事業報告および計算書類の提供については、なおその効力を有するものとされています。

 

この省令案による改正後の会社計算規則第126条第1項の規定は、2022年3月31日以後終了する事業年度に係る計算関係書類についての会計監査報告から適用されます(2021年3月31日以後終了事業年度からの早期適用も可能)。

 

以上

 

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