Knowledge/解説コラム

【図解M&A】第5回:M&A契約条項に関するポイント解説

トランザクションサービスチーム

2012/10/02

1.M&A契約条項について

M&A契約の各条項の検討にあたっては、M&A取引のリスクを低減させるために、買収契約書上でどのような条項を盛り込むべきであるかを検討することが重要である。M&A取引の契約書は、一般的に、条項が多岐にわたるが、ここでは、基本合意書、最終契約書の一般的条項を紹介し、そのうち代表的な条項について、その具体的な内容について解説する。



2.基本合意書の条項

M&Aの基本条件につき両当事者で合意に達したことを確認するための合意書。基本合意書には一般に以下のような条項を記載する。

条項の例内容
M&A取引の基本合意内容当事者、M&Aスキームの概要、代金、役員・従業員の処遇
表明・保証責任一般条項、個別事項
調査の実施財務、法務等各種のデューデリジェンスを実施すること
条件の修正デューデリジェンスの結果に応じて価格等条件が修正されること
秘密保持義務秘密保持義務(又は秘密保持契約書)の遵守
排他的交渉権一定期間、他の第三者との間で、M&Aの対象事業について交渉、合意、契約を行わないこと
免責条項当事者双方とも、最終的にM&A取引を実行する法的義務を負わず、M&A取引に関する交渉を無償にて中止することができること
協議基本合意にない事項の取り扱い方法
管轄裁判所管轄裁判所の取り決め
その他善管注意義務条項等


3.最終契約書の条項

デューデリジェンスにより判明した事項の調整等を受けて、M&Aの諸条件を確定する契約書。一般に以下のような条項を記載する。

条項の例内容
取引の内容
  • 当事者、M&Aスキーム、代金及びその支払条件(時期、回数、方法)、役員・従業員の処遇
実行の前提条件
  • M&A取引実行のための前提条件(クロージング条件)
  • クロージングまでの間に一定条件を充足しない場合(許認可、訴訟や環境問題等に起因)にはクロージングしない等と規定することがある(停止条件)。
表明・保証責任
  • 一般条項、個別事項
  • 表明・保証責任の存続期間
秘密保持義務秘密保持義務(又は秘密保持契約書)の遵守
競業避止義務売り手は、買い手との利害衝突回避のため、クロージング又はM&A代金の決済日以降の一定期間競業事業を行わないこと
補償当最終契約書に反し相手方に損害を生じさせた場合に補償を行うこと
(Cap及びCapの例外事項、バスケット条項、存続期間条項、損害額の推定条項等)
完全合意当最終契約書に記載された条項のみが最終的に効力を有し、記載されていない内容の取決めについては、基本合意書を含め他に覚書等での合意があっても、完全合意条項により、排除される。(最終契約以前の合意は全て失効)
協議条項にない事項の取り扱い方法
管轄裁判所管轄裁判所の取り決め
その他
  • 社名、ブランド名称の取り扱い
  • 誓約条項
  • 善管注意義務
  • 価格調整条項(評価基準日からクロージング日までのM&A対象企業・事業の価値変動に基づく価格調整)