Knowledge/解説コラム

【図解M&A】第4回:デューデリジェンスの概要

トランザクションサービスチーム

2012/10/01

1.デューデリジェンスの目的と効果

1.目的と効果
買い手にとって企業買収実務における最も重要なプロセスであるデューデリジェンスの目的は、一口に言って「Deal issue」すなわちリスクの把握であるが、より具体的には対象企業のビジネスの実態や財務の状況に関する情報収集、想定されるリスクの洗い出しをすることにある。
またその効果は、デューデリジェンスによって把握したリスクに応じて買収価格を再調整する、あるいは発見した偶発債務等に関する売り手の表明・保証と違反した場合の損害賠償規定を買収契約書に反映することなどがある。
具体的には、例えば子会社を買収する場合で、法務デューデリジェンスを実施した結果、重要な契約にChange of Control条項(親会社が交代した場合には契約を継続しない条項)がある場合や関係会社と有利な条件により契約を締結している場合等がある。
このような場合、契約の巻き直しに係る追加コストを正常収益力に反映し、事業計画・EBITDAの修正を行い、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチによる買収価格の再調整を行なうことが必要となる。


2.スタンド・アローン問題
ある企業グループに属している子会社、あるいはある企業に属していた一事業部門を買収する際には、スタンド・アローン問題への対応がポイントとなる。スタンド・アローン問題には、その形態によって以下のようなものがある。① 全社共通サービス   ・ 今まで提供を受けていた全社共通サービスが受けられなくなることにより、代替的な業務委託や雇用が必要となる場合② グループ会社取引   ・ グループ会社からの資金の提供   ・ 第三者よりも安価なサービスの提供   ・ グループ一括調達による安価な原材料の調達   ・ 売り手のグループ会社しか提供できないサービスを受けており、当該サービスの継続がディールの絶対条件である場合③ ブランド・顧客情報   ・ グループ固有のブランドが売上に大きく寄与している   ・ グループ会社から有用な顧客情報や技術提供がある
スタンド・アローン問題があった場合には、それらが対象企業の企業価値や収益力等に及ぼす影響の程度を見極め、独立企業として買収の価値があるのかを慎重に見極めることが必要である。