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ASBJ、「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)」を公表

2016/11/11

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2016年11月9日、「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)」(以下、「本公開草案」という)を公表した。コメント募集は、2017年1月10日までである。


サマリー

  • 本公開草案は、監査保証実務委員会実務指針第63号「諸税金に関する会計処理及び表示に関する監査上の取扱い」等において定められている法人税、住民税および事業税等に関する会計処理および開示について、基本的にその内容を踏襲した上で、表現の見直しや考え方の整理等を行ったものである。
  • 当事業年度の所得等に対する法人税、住民税および事業税等については、法令に従い算定した額を損益に計上する。
  • 過年度の所得等に対する法人税、住民税および事業税等について、更生等により追徴される可能性が高く、当該追徴税額を合理的に見積ることができる場合には、原則として、当該追徴税額を損益に計上する。
  • 本会計基準は公表日以後適用し、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更に該当しないものとして取扱う。


1.経緯


我が国における税効果会計に関する会計基準としては、企業会計審議会から公表された「税効果会計に係る会計基準」(以下、「税効果会計基準」という)に加えて、日本公認会計士協会(JICPA)からは、税効果会計に関する会計上および監査上の実務指針が公表されており、税効果会計に係る作成実務は、実質的にこれらの実務指針に基づいて行われてきた。


ASBJでは、基準諮問会議の提言を受ける形で、JICPAにおけるこれら会計上および監査上の実務指針(会計処理に関する部分)を移管すべく審議を重ね、2015年12月には、企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」を公表した。ASBJは、その後も継続して審議を行った結果、監査保証実務委員会実務指針第63号「諸税金に関する会計処理及び表示に関する監査上の取扱い」(以下、「監査保証実務指針第63号」という)についても、ASBJの会計基準として開発することとなったものである。



2.対象


本公開草案において移管の対象としている実務指針は、以下のとおりである。


① 監査保証実務指針第63号② 会計制度委員会「税効果会計に関するQ&A」のうち、税金の会計処理および開示に関する部分③ 実務対応報告第12号「法人事業税における外形標準課税部分の損益計算書上の表示についての実務上の取扱い」に定められた事業税(付加価値割および資本割)の開示



3.範囲


本公開草案は、連結財務諸表および個別財務諸表における次の事項を適用範囲としている(本公開草案第2項)。


  • 法人税、地方法人税、住民税および事業税(以下、「法人税、住民税および事業税等」という)に関する会計処理および開示
  • 受取利息および受取配当金等に課される源泉所得税に関する開示
  • 外国法人税に関する開示


4.会計処理


(1)当事業年度の所得等に対する法人税、住民税および事業税等

当事業年度の所得等に対する法人税、住民税および事業税等(※1)については、法令に従い算定した額(税務上の欠損金の繰戻しにより還付を請求する法人税額および地方法人税額を含む)を損益に計上することが提案されている(本公開草案第4項)。


※1 「所得等に対する法人税、住民税および事業税等」には、所得に対する法人税、地方法人税、住民税および事業税(所得割)のほかに、住民税(均等割)および事業税(付加価値割および資本割)を含むものとする。


(2)更生および修正申告による追徴および還付

過年度の所得等に対する法人税、住民税および事業税等について、更生および修正申告(以下、「更生等」という)により追徴または還付される場合には、以下のように会計処理することが提案されている(※2)(本公開草案第4項~7項)。


図表1


※2 企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」第4項(8)に定める誤謬に該当するときを除く。



5.開示


本公開草案では、開示について、以下のように提案している。


【当事業年度の所得等に対する法人税、住民税および事業税等】(本公開草案第8項~11項)

図表2


【受取利息および受取配当金等に課される源泉所得税】(本公開草案第12項)

図表3


【外国法人税】(本公開草案第13項)
外国法人税のうち、法人税法等に基づき税額控除の適用を受けない税額の取扱い

図表4


【更生等による追徴および還付】(本公開草案第14項~17項)

図表5


※3 ただし、金額の重要性が乏しい場合、法人税、地方法人税、住民税および事業税(所得割)に含めて表示できる。



6.適用時期等


本公開草案では、移管の対象としている実務指針について、基本的にその内容を踏襲した上で、表現の見直しや考え方の整理等を行っているものであり、実質的な内容の変更は意図していない。このため、本会計基準は、公表日以後適用することが提案されている。また同様の理由から、本会計基準の適用については、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更に該当しないものとして取扱うことが提案されている(本公開草案第18項~19項)


以上


関連リンク:
・ASBJ、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」を公表


外部リンク:
・ASBJ:企業会計基準公開草案第59号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)」の公表


(リンク更新日:3月3日)

・ASBJ:企業会計基準公開草案第59号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)」に寄せられたコメント