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【会計情報トピックス】ASBJ、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」を公表

2016/01/08

1. はじめに


DTA2016
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企業会計基準委員会(ASBJ)は、2015年12月28日、企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(以下、「本適用指針」という)を公表しました。
本適用指針は、日本公認会計士協会(JICPA)による監査委員会報告第66号「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」(以下、「委員会報告第66号」という)等において定められている繰延税金資産の回収可能性に関する指針について、基本的にその内容を引継いだ上で、一部見直しを行ったものであります。その結果、委員会報告第66号における5つの企業分類の要件の一部、将来の課税所得の合理的な見積可能期間、スケジューリング不能な将来減算一時差異の取扱い等について見直しが行われています。


主な改正ポイント

● 本適用指針の位置付け
  • 委員会報告第66号における5つの企業分類に応じて繰延税金資産の計上額を見積るという枠組みは基本的に踏襲しつつ、各分類の要件およびその具体的な取扱いの一部について、必要な見直しを行っている。
● 会社分類の要件および繰延税金資産の計上額
  • (分類2)において、スケジューリング不能な将来減算一時差異に係る繰延税金資産について回収できることを企業が合理的な根拠をもって説明する場合には、回収可能性があるものとする。
  • (分類3)において、 おおむね5年を超える見積可能期間においてスケジューリングされた一時差異等に係る繰延税金資産が回収できることを企業が合理的な根拠をもって説明する場合には、回収可能性があるものとする。
  • (分類4)についても、将来において5年超にわたり一時差異等加減算前課税所得が安定的に生じることを企業が合理的な根拠をもって説明する場合には、(分類2)に該当するものとして取り扱う。
● 適用時期等
  • 2016年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度の期首から適用されるが、2016年3月31日以後終了する連結会計年度および事業年度の年度末から早期適用することも認められている。

全体像イメージ

全体像(イメージ)



2.経緯と本適用指針の目的


(1)経緯

現行の我が国における税効果会計に関する会計基準については、1998年10月に企業会計審議会から公表された「税効果会計に係る会計基準」(以下、「税効果会計基準」という)に加えて、JICPAからは税効果会計に関する会計上の実務指針および監査上の実務指針が公表されており、税効果会計に係る作成実務は、実質的にこれらの実務指針に基づいて行われてきました。ASBJでは、基準諮問会議の提言を受ける形で、JICPAにおけるこれらの会計上の実務指針および監査上の実務指針(会計処理に関する部分)について、ASBJに移管すべく審議を重ねてきましたが、当該審議の過程において、委員会報告第66号に関する問題意識が特に強く示されたことから、繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針を先行して開発することとなり、今般の公表に至ったものです。



(2)本適用指針の目的

本適用指針は、繰延税金資産の回収可能性について、税効果会計基準を適用する際の指針を定めることを目的としています。


【本適用指針において移管の対象となった実務指針等】

実務指針等


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